私たち人は必ず子どもの頃があり、そんな、自分一人では生き抜けない時期、親や養育的立場の大人の影響を強く受けて育ちます。その中で、成長によい影響も勿論ありますが、カウンセリングでは悪影響による悩みをお聞きすることがほとんどです。例えば、両親が不仲だったり喧嘩が多かったり、離婚、再婚、引っ越し、借金などで安心して過ごせなかった経験。さらに、親の過保護や過干渉による影響や、厳しすぎるしつけや虐待などによる影響から、大人になっても親との関わりに強い緊張感が残る方も多いです。そして、親の生活力や体や認知機能などの低下により、サポートや介護が必要であったり、その後訪れる死別やその後の対応などで、心が大きなダメージを負うこともあります。このように親との関係は環境や時期によってさまざまですので健康的と言える心の在り方もお一人お一人違って当然です。カウンセリングでじっくりお話頂きながら、これからの関係性を、心理的側面からも見直していただく事は、とても大事になります。
目次
・親に対する緊張感
・親の不仲や離婚による影響
・過保護な親による影響
・過干渉な親による影響
・毒親と言われる親からの影響
・親と死別後の心の整理
・インナーチャイルド(インナーメッセージ)という考え方
・アダルトチルドレンについて
親に対する緊張感
- 親との会話に緊張する
- 親の顔色を気にしてしまう
子どもの頃の親との関係性は、心と体や性格といったものに大きく影響します。その親の「厳しさ」「無表情」「理不尽さ」など、、。子どもが親の顔色をうかがう場面や、緊張は、心と体に染み込みます。カウンセリングでは、その影響を、少しずつ緩和されることを目指しながら、1:1でじっくりお話をお聞きし、何度も繰り返しカウンセリングを続けていただく事で、次第に緊張感を減らしていきます。
親の不仲や離婚による影響
- 親の喧嘩により安心や心の安定が損なわれる
- 仲の良い人間関係のモデルを知る機会が失われる
- 不仲になるコミュニケーションが人間関係だと勘違いをしてしまう
- 子どもの事で喧嘩をする親を見て自分の存在意義を疑う
- 離婚の結末を自分の責任に感じる
- 自己肯定感の課題を大きく持つ
小さいころに見たり体験する人間関係が親の喧嘩や不仲である場合、お互いを尊重し大事にする人間関係を知る機会を失います。その結果、年々友達や先輩後輩や社会での人間関係を難しく感じることや、つい喧嘩や不仲につながるパターンのコミュニケーションを取ってしまいます。まずはこの「過去習得してしまったよくないコミュニケーションのパターン」を理解し、少しずつ心理的影響を減らし、新しいパターンを獲得していくことが重要です。カウンセリングでじっくり取り組んで頂けます。
カウンセリングペース | 目安期間 |
1週間~1ヶ月に1回づつ | 半年ごとに検討 |
過保護な親による影響
- 自分で出来ることが少なくなる
- 失敗を過剰に恐れてしまう
- 0か100か思考になってしまう
- 周りが自分に合わせてくれることが当然のこととなる
- 過ごしやすい環境を得れていると感じているが、実際は自分で変えることができない過ごしにくい環境を提供されていることに気づいていない
- 親を神格化てしまう
- 親の非を受け入れられない
人は小さいころ、自分で物事を解決したり失敗から立ち直る力を育みます。ですが、周りから過剰に保護され、失敗や問題への直面の機会が減ることで、その力を育む機会を失ってしまいます。それにより、10代・20代・30代…と年を重ねても基本的な性格は変わらず、自分で生き抜く力を得にくくなってしまいます。この場合、カウンセリングでの変化には時間はかかりますが、じっくりお話をお聞きしながら、本人が今後どう過ごせるようになりたいかを何度もお話しながら、少しずつ自分で行動して得たいものを得る力が改めて育まれるよう、カウンセリングという形でかかわらせて頂きます。
カウンセリングペース | 目安期間 |
1週間~3ヶ月に1回づつ | 1年~3年以上(半年ごとに検討) |
過干渉な親による影響
- 自分の考えに自信が持てない
- 誰かに決めてもらわないと決められない
- 自分より相手がどう感じるかを気にしすぎてしまう
私たち人間は、楽しさや悲しさや色んな感情を感じ、それは本来誰かに「その感情はおかしい」と言われるようなものではなく、感じた事実は変えようがないものです。ですが、過干渉な親のもとで育った方の多くは「自分の感じ方はおかしい」という感覚を持っています。小さいころから過剰な干渉を受けて育つと、自分の感じ方や心のペースではなく、親の感じ方やペースでない自分を責めてしまうのかもしれません。カウンセリングでは、少しずつ自分の気持ちを取り戻しながら、自分で納得感のある行動できることを目指していきます。
カウンセリングペース | 目安期間 |
1週間~3ヶ月に1回づつ | 1年~3年以上(半年ごとに検討) |
毒親と言われる親からの影響
「毒親」という言葉に正しい定義は無いように感じますが、「子にとって毒になる親」とはどういう親かを考えると、、心は痛みますが、これまで上記でご説明させて頂いた状況が、そういった親の関わり方に当てはまるかもしれません。ですが、親はその時その時を精一杯子育てしていることも多いので、私どものカウンセリングでは親を全否定はしません。子にとって、ある部分や関わり方が、毒になってしまったかもしれませんので、そこは、カウンセリングを通じて緩和したり過ごしやすくなるよう、サポートさせて頂いております。
カウンセリングペース | 目安期間 |
1週間~1ヶ月に1回づつ | 半年ごとに検討 |
親と死別後の心の整理
- 十分な悲しみ(喪の仕事/悲嘆の作業/モーニングワークス)
- 湧き上がって当然の怒り
- これからの不安
- 心の中でのお別れ(訣別のカウンセリング)
- 自然と湧き上がる感謝
親との死別後、家族はバタバタすることも多く、ゆっくりご自身の気持ちと向き合うことが出来るのは、数週間後や数か月後であることが多いかもしれません。その後、ゆっくり心の中で、悲しみや怒りや不安など様々な気持ちの整理が出来てくると自然と心も体も回復してきますが、ショックが大きすぎたり、死別後発覚した事実が大きすぎて混乱したり、気持ちと向き合いきれない方も多くいらしゃいます。そのまま気持ちの整理ができず、たまり続けると、心や体の不調につながることも多く、それは3年後や5年以上も後に発症したり続くこともあります。心や体の不調が気になる場合は、まずはカウンセリングでご相談ください。
カウンセリングペース | 目安期間 |
初期は1~2週間に1回づつ その後1~3ヶ月に1回づつ | 半年ごとに検討 |
インナーチャイルド(インナーメッセージ)という考え方
「インナーチャイルド(インナーメッセージ)」とは、現在の性格や行動パターンや感情の特徴などに影響を及ぼし続ける、心の中に残っている子どもの頃体験した感覚の事を言うことが多いように思います。その他には「心の中にいる子どもの自分」や「自分の中にいる本当の自分」など、色々な表現がされています。ですが、仕組みはいたってシンプルで、子どもの頃の体験は、当然性格形成や人間関係や行動パターンや思考パターンへ影響しますので、そのことを指しているのだと思います。そして、このインナーチャイルド(インナーメッセージ)を変えていくことで、現在の心理的な悩みが軽減したり改善することも多くあります。私どものカウンセリングでは、このような子どもの頃の体験から得てしまった現在への悪影響なども、しっかり心理的に扱っていくことができます。
アダルトチルドレンについて
「アダルトチルドレン」という言葉は、日本では親や家族や養育者の不仲や虐待などにおける機能不全家族で育ち、生きづらさを抱えた人の事を指すことが多いようですが、元々はアメリカで「親がアルコール依存症の家庭で育った大人(adult children of alcoholics)」の略語から来ているようです。このように、親から悪影響を受けたことにより大人になっても感じている生きづらさや悩みは、上記でこれまでご説明させて頂いたように、とても大きな悩みであると同時に、カウンセリングで一歩一歩取り組んでいけるテーマでもあります。気になることがございましたら、まずはお気軽にお問い合わせください。
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